2003年06月28日

中枢を歩いた雨の中

◎第275回【江戸城外濠を歩く】=約8㌔=
 6月28日(土)10時、飯田橋駅前に集合したのは38人。朝から生憎の雨だったが、誰からも中止の問合せもなく、実施せざるを得ない。ラムラの通路で打合せを行い、体操も徳江さんにお願いし、簡単に行ってそそくさと傘を差し雨具をつけて出発。

 牛込橋まではJR中央線の右側を歩き、その後は左側の外濠公園を歩く。今度は市谷橋で右側を歩く。四谷見附橋からは左側。ジグザグと外濠を右左と歩くが、遊歩道が整備され、雨が降っていてもほとんど水溜りができていない。本当はそのまま弁慶堀に入りたかったが、通行禁止でホテルニューオータニを囲むように歩き、きれいに整備された清水谷公園で休憩。
 小降りではあったが、雨の日の休憩はつらい。雨宿りができるところはトイレの前だけ。後は傘を差したまま立って休む。鳥はあの細い足で枝に止まって平気だが、人間はそうは行かない。
 清水谷公園、階段を上がるとたちまちうっそうとした山道がある。都会の中で一瞬、タイムスリップしたような錯覚にとらわれ、300年ぐらい前の風景に見える。ところがまた一瞬、コンクリートで固められた人工の滝にぶっつかり高層の紀尾井ビルを見上げてたちまち現代に戻る。
そして、国立劇場、最高裁判所と現代の粋を集めた建物を眺め、広大な国会図書館には、日本の全ての文献が集まっている。国会議事堂を眺めながら憲政記念館に入る。中には何が入っているのか確認もせずに今度は国会前庭を通り抜け、内堀通りから桜田門に入り、皇居前広場を歩く。
 通常は歩きにくい玉砂利の広場、雨のせいか、気にならずにさくさくと歩ける。土曜日なのに人が少ない。これも雨のせいか、何となくGNPの独占コースのようで、要所要所の警備もGNPを守ってくれているようで気持がいい。
 和田倉門前に到着してここで解散。コンディションの悪い天候であったが、本日のコース、バラエティーに富み、わが国の中枢を眺めることのできる素晴らしいものと改めて認識できた。

Posted by taichiro at 23:14

2003年06月21日

手入行届く大名庭園

◎第274回【ゆりかもめを歩く】=約11㌔=
 6月21日(土)午前9時、地下2階とは思えないカレッタ汐留カレッタプラザ「亀の噴水」前に集合したのは、47人。新橋駅から初めて歩くと、今どこを歩いているのか、東西南北どちらに向いているのか、さっぱり分からないまま表示や案内図を見ながら探すが、その案内図の名称が新しいものばかりで見当がつかない。とにかく恐る恐る直進して空の見える広場につくとそこが亀の広場。まさにコンクリートジャングルの中に出来た広場。ビル風のせいか意外に涼しい。

 打合せをした後、体操をするため、石段を登り燦燦と日の当たる広場まで出たが、この階段、どういうわけかハードだった。徳江さんの指揮のもと体操をした後、旧芝離宮恩賜庭園に向かい、入園。
 江戸最古の大名庭園と言われ、浜離宮庭園に比べると約6分の1とこじんまりしたものだか、どこに居ても庭園全体が見渡せ、手入れも行き届いている。案内の方の説明を受けて庭内を一周。アジサイが今を盛りとばかり華やかに咲き誇っていた。
 今度は竹芝埠頭に向かう。いつのまにか埠頭がきれいになり、船に乗り込む様子はまるで空港のようになっている。乗降口が船の2階に横付けされ、待合室から直接乗り込めるようなスタイルになっている。埠頭のはずれで新婚カップルに出会う。みんなで祝福の拍手をしたところ、花嫁さん、ぽっと頬を赤らめ、こちらまで見とれてしまった。
 ここからレインボーブリッジまでほとんど直線だが、直接、太陽にさらされ、木陰も建物陰もほとんどなく、日射病にならないか心配した。かつて有料だったレインボーブリッジ遊歩道、現在は無料になっている。自動車道に平行した遊歩道、相変わらず騒音と排気ガスに辟易した。途中、休憩所があったはずと期待していたが、現在閉鎖。これでは歩く人間はますます少なくなってしまう。本気で遊歩道を作っていない証拠だ。
 やっとお台場海浜公園に到着して休憩場所を探すが、木陰らしいところがなかなかない。浜辺ではもう水着姿が出ていて、外人の水着、ティーバックっていうのかな、ちょっとした目の保養にはなった。しかし、うだる暑さのほうが強く、台場一丁目のコーナーにあった木陰で休憩して、水を補給して、いざというところで解散指令。
 潮風公園、船の科学館に2,3の方が向かい、4,5の方はビッグサイトに向かい、後の大半はその近所でお茶をしたり、食事をしたり、まったく真夏のようなウォーキングになってしまった。

Posted by taichiro at 10:56

2003年06月14日

薔薇と紫陽花真っ盛り

◎第273回【井の頭、深大寺】=約11㌔=
 6月14日(土)午前10時、井の頭恩賜公園野外ステージ前に集合したのは、43人。雨にはならなかったがむし暑い中で、打合せをした後、徳江さんの指揮で体操、体をほぐしてからスタートした。

 三鷹の森ジブリ美術館を探して園内を右往左往。井の頭公園が広大なことを実感する。裏から見つけた美術館、思ったより小さかったが、屋上から天空の城ラピュタのロボット兵が見下ろしていた。
 そこから吉祥寺通りを南下。自動車の通行量が多く、段差のある歩道は狭く、排気ガスをまともに浴び、歩きにくいことおびただしい。やっとの思いで東八道路に出て右折。広い車線で交通量も多いが、街路樹が二重に生い茂り、木陰がよく出来ていて歩きやすい。南に東大や国土交通省の施設が並ぶ。
航空宇宙技研の交差点で左折、三鷹通りを少し歩いて、諏訪神社前から小道に入り、緑の相談所横の土道を行き、相談所内も少し歩く。
 やっと神代植物公園正門に到着、団体で入園。園内で休憩と見学と昼食。薔薇と紫陽花が真っ盛りで、たくさんの人が楽しんでいた。木陰では微風が快く吹き、汗を鎮めてくれた。
 今度は深大寺門前に再集合して深大寺に参拝。続いて前回は省略した水生植物園を見学する。菖蒲が花盛りで、池では雛鳥4羽を引き連れたカルガモのほほえましい姿にお目にかかる。通り抜ける道はなさそうなので一周してコースに戻る。
 ここを出てからの道筋は暑さのせいもあってか地図を見てもさっぱり頭が働かず、どうしたものかと迷っていると「歴史と文化の散歩道標識」が見つかり、この標識に従って歩くことにする。今度は景色もあまり見ずにもっぱら標識探し。左折したり右折したりしているうちに、土の境内に木々が高く茂る涼しい布多天神社に到着。ほっとひと心地つく。
 ここで整理体操をして人員を再点呼したところ、28人の土休券希望者がいたため、土休券を手配して皆さんに交付してから解散した。

Posted by taichiro at 10:52 | Comments (0)

2003年06月07日

ひなびた矢切の渡し

◎第272回[小岩菖蒲園から矢切の渡し]
 6月7日(土)午前10時、薄曇りの涼しい空の下、あやめの花が満開の小岩菖蒲園に40人が集合。JR小岩駅からは結構な距離で、着くまでに一汗かく。平成10年第23回で実施したコースだけど、記憶がずいぶん薄れていて心もとない。

 菖蒲を鑑賞してから10時30分歩き始める。江戸川を下り、市川橋を渡り、土手から、水上スキーを眺めながら川を遡る。入り口が変わっていたが、里見公園は芝生や噴水やバラ園などが出来ていてずいぶんきれいになっていた。トイレ休憩しているとCが到着、一緒にちょっと休む。
 地図と記憶を頼りにじゅん菜池公園を目指す。交番があったので尋ねると目の前がそこだった。ここもずいぶんきれいで違う場所のよう。池に向かって進むと向うに一塊の団体と黄色の旗が見えた。「アッ、いたーッ」。先着のAグループを見つけて歓声を上げる。何故だか拍手で迎えられ、怪訝に思っていたら、Aは里見公園に行かなかったそうだ。
遊歩道も木々も池もきれいに整備され、前回とはまったく趣が違う。じゅん菜が見つからなかったが、最後の湿地帯のようなところが栽培地だったらしい。公園を出ようとすると先行組が見えなくなった。住居表示を探しながらとにかく進む。国府台と下矢切の境目あたりで心細くなり、車に乗り込もうとする若い男性に矢切の渡しを聞くと、丁寧に教えてくれた。四辻を左折、信号を渡る。店らしくない八百屋で作業中のおばさんに矢切神社を教えてもらい、やっと、合流できた。
 ここからは道なりに進む。野菊の墓公園に上り、歩道橋を渡って文学碑を訪ねる。階段を下り、坂を下って江戸川ラインハイキングコースを歩く。田んぼのあぜ道が、きれいになっていた。キャベツ畑や葱畑がひろがる。土手を登って、やっと川が見えた。土手の上の穴が開いた石は川の一里塚だそう。土手を下りて矢切の渡し場まで歩く。
 ひなびた様子は以前のまま。モーターボートがエンジンを停止して横切っていった。向う岸からゆったりと渡し舟が戻ってきた。結構大勢の乗客、「1回じゃ無理だわね」とか言いながら上がっていった。一人100円ずつ手に持って舟に乗る。わがGNP含め30人ほどが乗船。乗り切れない人は次の便を待つ。
 川の水深は約6メートル程だそう。途中立ち上がった人がいてざわめく。さわやかな川風に吹かれ、時間が止まったような一瞬のような時が過ぎ、対岸に着く。こちらにも大勢の人が並んでいた。
 解散場所の柴又公園にはCがすでに到着していた。体操して解散。柴又駅は1時間に3本しか電車が来ないことを改めて知る。今日ウォーカーがいっぱいだったのは国府台駅のウォーキング大会のため。

Posted by taichiro at 10:49 | Comments (0)

2003年06月03日

最果ての島壱岐対馬紀行

 6月1日から3日間、壱岐対馬に旅してみた。初日、福岡空港から対馬行の飛行機に乗る。瞬く間に対馬上空に到着、上空から見る対馬はまるでマリモの塊。ポコポコ新緑に彩られた島々が見え、空港がどこか分からない。

近づいて始めて分かったが、山を削り落とし約60メートルの高台に空港があり、あたかも空母の上に着陸するようなスリルを味わった。島々と見えたマリモ、実はすべて数知れない半島になっていて陸続きとのこと。
 したがって沿岸の延長距離は縦に80キロしかないのに600キロ以上になり回遊は出来ないそうである。森林地帯が9割を占め、4%ほどが耕作面積。魏志倭人伝に「土地は山険しく森林多く道は禽鹿の径の如し」とあるが、その風景は今も変わっていない。いろんな秘話を聞いたが、韓国との因縁話、釜山までわずか49.5キロというのだから厳しい時代が連綿と続いていることは今でも変わらない。
 翌日は昼から壱岐に高速船で向かった。この島は何から何まで対馬と対照的。まるで大皿を裏返して置いたような島で、高低差がほとんどなく耕作面積は8割近くという農業中心の島。そのため、人間関係の機微に優しく豊かだそうである。
 両島は緊密な関係にあるかと想像していたが、さにあらず。仲が悪いようである。現に両方のガイドさん、福岡や長崎には再々行っているが、相手の島には一度も行ったことがないそうである。
 夜は蛍見学。4万匹も発生したと言われる蛍の光、何だかもの悲しい風情だったが、この光では本は読めない。
 面白い話が1つあった。国道382号線は対馬の北端から南端まで縦走しているが、この国道、壱岐でも南北を縦貫し、はるか佐賀県の呼子まで続いていてそこからも先に続いている。つまり国道が海上を走っていることになるのだろうか。不思議なことだが、国道にはこんな風に分断されているものがあることを初めて知った。
 天気に恵まれた3日間、快い疲れとともにいい体験が出来た。        [T.M. 記]

Posted by taichiro at 10:37