2003年06月03日

最果ての島壱岐対馬紀行

 6月1日から3日間、壱岐対馬に旅してみた。初日、福岡空港から対馬行の飛行機に乗る。瞬く間に対馬上空に到着、上空から見る対馬はまるでマリモの塊。ポコポコ新緑に彩られた島々が見え、空港がどこか分からない。

近づいて始めて分かったが、山を削り落とし約60メートルの高台に空港があり、あたかも空母の上に着陸するようなスリルを味わった。島々と見えたマリモ、実はすべて数知れない半島になっていて陸続きとのこと。
 したがって沿岸の延長距離は縦に80キロしかないのに600キロ以上になり回遊は出来ないそうである。森林地帯が9割を占め、4%ほどが耕作面積。魏志倭人伝に「土地は山険しく森林多く道は禽鹿の径の如し」とあるが、その風景は今も変わっていない。いろんな秘話を聞いたが、韓国との因縁話、釜山までわずか49.5キロというのだから厳しい時代が連綿と続いていることは今でも変わらない。
 翌日は昼から壱岐に高速船で向かった。この島は何から何まで対馬と対照的。まるで大皿を裏返して置いたような島で、高低差がほとんどなく耕作面積は8割近くという農業中心の島。そのため、人間関係の機微に優しく豊かだそうである。
 両島は緊密な関係にあるかと想像していたが、さにあらず。仲が悪いようである。現に両方のガイドさん、福岡や長崎には再々行っているが、相手の島には一度も行ったことがないそうである。
 夜は蛍見学。4万匹も発生したと言われる蛍の光、何だかもの悲しい風情だったが、この光では本は読めない。
 面白い話が1つあった。国道382号線は対馬の北端から南端まで縦走しているが、この国道、壱岐でも南北を縦貫し、はるか佐賀県の呼子まで続いていてそこからも先に続いている。つまり国道が海上を走っていることになるのだろうか。不思議なことだが、国道にはこんな風に分断されているものがあることを初めて知った。
 天気に恵まれた3日間、快い疲れとともにいい体験が出来た。        [T.M. 記]

Posted by taichiro at 2003年06月03日 10:37