1999年11月29日

四百字随想その50

1.ミステリー
(一九九九.一一.一)=文化=
 秋の夜長、ミステリーを読むのは私にとって貴重な時間である。ところが最近の世相は、小説の世界にしかないはずのミステリーよりもずーっとミステリーである。「事実は小説より奇なり」とよく言われるが、正にその通りである。信用の固まりであったはずの金融機関が、不良債権を山ほど抱えていたり、もっとも安全管理が進んでいるはずの原子力発電の分野で臨界事故を起こし、一体何が起こったかも、だれ一人よく分からないまま、仕事をしていたり、企業献金を廃止してその代替手段としたはずの政党助成金が活きたまま、企業献金廃止を先送りするなど、こんなミステリー、小説家にはとうてい考えられない。キルギスの人質事件なども考えてみるとミステリーの一つ。もう小説など読まなくても新聞を読むだけで、ミステリーの醍醐味を堪能できる。秋の夜長、毎日の新聞が待ち遠しいのは私にとって幸せなことなのか、それとも不幸せなのか。これもミステリーである。

2.企業の政治献金禁止と政党助成金
(一九九九.一一.八)=政治=
今回の「企業の政治献金禁止の凍結」ほど見事な政治家の戦後論理を示したものはない。政党助成金を引き出すための政治献金禁止。そして獲得した政党助成金はそのままにして置いて、個人献金の少なさと面倒くささを理由に企業献金は継続するという論理。鉄面皮も驚く仕打ちである。こういうことを堂々と行っていながら教育改革をのたまうわけだから「徳」とか「仁」とか、かけ声をかけてもだれも政治を信じなくなる。その上、政党助成金の使い道すら明らかにしようとしない。収支計算に五万円以下はどうでもいいという規則はいったい何なのだろうか。税金を納めるために一枚の領収書、一円の違いにも神経をとがらせて計算している企業や事業者と政治家は人種が違うのだろうか。もっともそういう人種が政治家であるため、企業は政治献金を行うことで利益を確保できるという一面を如実に示して、国民に教えてくれているのかも知れない。

3.働 く
(一九九九.一一.二二)=経済=
 「働く」概念の中に「仕事」と「労働」がある。どういうわけか「労働」の伴う概念は苦しみと賃金が想定され、恨めしさのようなものが感じられるが、「仕事」の伴う概念では楽しさと喜びを感じる。私は現在も働いているが、特に労働をしているとは、意識していない。そのため、忙しいときは、土曜も日曜もなく、働くこともあり、だからといってそれによって報酬が増えることもない。その上、ウォーキングクラブを主宰しているため、毎週会報を編集し、作成し、コースの下見やコース設定、それに年間計画などもしているが、一切無報酬である。だからと言って「働いてはいない」とは言えず、十分働いていると言える。何か人の役に立っている。自分で出来ることを精一杯やっている。そういう自己満足のような世界でも働くことは可能で、貨幣価値が伴わなくても立派な仕事である。他の生物世界では貨幣価値がなくても立派に「働き」があり仕事がある。
 
4.銭湯今昔
(一九九九.一一.二九)=社会=
 銭湯に行かなくなってもう何年になるだろう。結婚以来ということになると三十年を超える。先日「東京銭湯マップ」という資料を手に入れたが、これによると東京全体で今でも一,三三三軒の銭湯がある。この数が多いか少ないか、私には正確には言えないが、激減していることだけは確かであろう。独身時代は私も銭湯愛好者であった。というより風呂にはいるためには銭湯しかなかった。寒い日も暑い日も銭湯は私にとって憩いの場であり、気持のいい場所であった。それにいろんなことを教わった。うるさいと思ったこともあるが、裸の世界で歯に衣着せずにいわれる意見、それは私の発憤材料であり、常識源であった。その上、プロレス、相撲、野球をテレビで見られる場であった。そういう世界から遠ざかって三十余年。子供たちも下宿時代以外は銭湯を知らない。こうして子供の教育環境は歴然と変わった。久しぶりに今度銭湯に入ってみようと思う。

Posted by taichiro at 09:41

1999年11月27日

96.有楽町、日比谷、新橋

11月27日(土)午後1時、 東京国際フォーラムに集合。早めに来てフォーラムの7階まで上がり、ブリッジ・ウォークを楽しんだ方もいた。いつもの通り、ストレッチを行い、出発。

丸の内仲通りを経て、出光美術館、帝劇を横目に日比谷交差点を渡る。外苑のお堀と黄色に染まった銀杏の中を楠木正成像を経て日比谷公園に入り、また見事な銀杏並木に歓声を上げながら歩く。日比谷シャンテのゴジラ像に「思ったより小さいわね!」と言いながらJRをくぐり、線路沿いにコリドー街を通る。コリド-の由来は狐狸道とか。どんな狐や狸かしら?
新橋駅手前、昭和通を2丁目交差点で左折し、藤原秀郷が勧請したと伝えられる古い烏森神社でチョッピリ手を合わせ、桜田公園で休憩。
第一京浜を直進後、左折し新銭座架道橋という天井の低い何とも気持ちの悪いガードをくぐり、浜松町方向に向かう。芝商高前信号を渡り、左手高速道路下は車の往来が激しいので、右手浜離宮の深い緑を見ながら、浜離宮正門前の解散地へ到着。
先を歩いていたAグループがすでに到着していたのはよく分かるが、不思議にもCグループもすでに到着していた。    [S.K 記]
=約11㌔、出席48人=

Posted by taichiro at 15:21

1999年11月20日

95.神田・神保町うろうろウォーク

 11月20日12時10分、神田公園に到着。今日はちょっと喉が痛くて寒気がする。早すぎたなと思っていると、もうT.Hさんが、しばらくしてM.Sさんも。35分になったら会長に続いて下見をしたH.I、F.I、M.O、S.Sさんがにぎやかに到着した。1か月前の下見だったので記憶が薄れていてちょっと心配だ。1時になると、Kご夫妻を含め52名が集合。H.Wさんのリードで体操し、出発した。
 

棟割り多角形家屋を眺め、北上して料理屋街を回り、また淡路町を抜け、鎌倉橋を往復。美土代町から錦町河岸を渡り、ぐるっと回って神田警察から靖国通りへ。小川町の交差点でC班と合流した。ニコライ堂を見上げて日販ビルのテラスで休憩。吹き抜ける風が心地よい。寒気など吹っ飛んでしまっていた。
 池田坂を下り太田姫神社をすり抜け、駿河台下を渡り南下。あみだくじのようにうろうろ歩いて岩波ホールの横を過ぎ、一橋中の紅葉したツタに感嘆し、共立女子中を回ってまた北上。またC班と合流して靖国通りから、左に入り高齢者センター前の周恩来の碑を眺め、日大法学部を過ぎ、JRのガードに沿って歩く。
東京歯科大病院から白山通りを越え、皀木坂を登って女坂を過ぎ、男坂の急階段を下りる。建長寺のすごい経験がものをいってか、平気の平左。神田女学院をぐるりと回って錦華公園へ到着。1ヶ所間違え1ヶ所カット。でも無事、完歩できた。 終わった途端、方向音痴になってしまい、みんなのあとについて、何でも飲み放題で150円というカラオケをやっている珈琲屋に入って一息入れた。    [K.M 記]

Posted by taichiro at 15:20

1999年11月13日

94.自然が残る鎌倉・金沢ハイキング

11月13日(土)午前10時(参加34人)
=約15㌔=
 久しぶりに鎌倉路を歩くと思うと胸が躍る気がした。北鎌倉駅に到着。まず受付を済ませ、いろいろなパンフレット、マップなどを手に、いざ出発。
 明月院に入るはずが建長寺方向に歩き出す。境内へ入るやいなやその荘厳さを感じさせる。境内をしばしめぐり小休止。寺内を横目に見ながら前方の登る階段を見て驚きと凄さを感じた。秋の鎌倉路を行くなんてロマンチックなことを思っている場合ではない。階段は狭く、行き交う人の多い中、カラス天狗様に見守られながらひたすら登る。それにしても急勾配である。これもウォーキングには違いないだろうが、ひょっとしたらミニ登山にも似たコースではないか。
 

ハァーハァーしながら411段の階段を上りきり、ようやく見晴台まで到着。見晴台からの眺めは素晴らしく180度の眺めだ。その中でちょっぴり頭を覗かせた富士山は心を和ませた。つかの間の休息をとり、いよいよ天園ハイキングコースに入っていく。アップダウンの続く山道をしばし歩く。
 それにしても人の多さに驚く。特に子供たちの多さ。今日は休校日とのこと。歩いては立ち止まりの連続でなかなか前に進めない。我がGNPのメンバーとしては少々物足りなさを感じさせた。いざ十王岩を目指してまだまだ登り降りの連続だ。紅葉の間からこぼれ日が顔を照らす。また時折吹くそよ風が汗の頬を撫で通り過ぎていく。実に気持のいいものだ。ここが十王岩なのか、目の前がサーッと広がる。
 汗を拭いながら喉を潤す人、子供たちと一緒に弁当を広げる親子連れ、実にのどかな風景だ。今までのあの登り降りの激しさなどどこ吹く風だ。峠の茶屋はまもなくのはず。
ようやく到着である。先に到着した人たちはもう各々お昼を摂っていた。一緒に歩いてきた人たちの話を聞くと峠の茶屋から右方向、瑞泉寺の方へ降りるとのこと。では自分もその方向へと思い、8人の列に連なることにする。行き交う人々にコンニチハの言葉をかけながら鎌倉市街地に降りていく。ここで秋の鎌倉路のウォーキングは終わり。夕陽を背にしながら優しい自然の偉大さを感じながら帰路につく。 
    [I.S 記]
なお、本隊は、横浜自然観察の森を通り、金沢自然公園の中にあるののはな館で小休止。その後、能見堂跡を見て六国峠出口から京急金沢文庫駅まで向かい、ここで解散した。

Posted by taichiro at 15:19

1999年11月06日

93.東京港野鳥公園

11月6日(土)午後1時 (参加52人)
=約10㌔=
 "しまった! 困ったなー。帽子を忘れてきた。天気予報は曇りだけど薄日が射してきたよ…、どうしよう…、戻る時間はないし…、まあいいかあ…、ショウガナイ"と、思いながら電車に乗って集合場所の品川駅東西自由通路に向かう。集合場所に着くと、いつもより早かった(ラララ…)。

 時間になり体操場所の聖蹟公園に向かう。品川駅を西口、品川プリンスホテル側に出て、八つ山橋を渡り、北品川から旧東海道に入る。この通りが思ったより長く古そうなお寺が二,三あったが、前を通り過ぎただけ。聖蹟公園で会長から今日のウォーキングなどの話、Y.Yさん指導の準備体操の後、3班になり歩き出す。太陽の日射しが薄雲を通して照りつける。仕方がないのでバンダナでマスクをし、頭にはタオルの姉さんかぶり。"アアア…、ちょっと恥ずかしいけど、えい! ままよ!"といつものように歩く。
 鮫洲公園から八潮橋を渡り大井埠頭緑道公園に入る。この辺りの公園は出来て10年ほどと聞いたが、道は腐葉土の層が厚く、歩くと膝、足首、足の裏、腰のクッションの当たりが柔らかく自然の優しさを感じた。なぎさの森の管理事務所では野鳥観察で望遠鏡を覗かせてもらい、川鵜、ゆりかもめ、鴨などを間近に見る。大井埠頭中央海浜公園では、椚、楢、樫などの木が多いのか、どんぐりの実がたくさん通りの道の上にも落ちていた。Y.Yさんは『どんぐりの小道』と名付けたとか。
 「東京港野鳥公園のネイチャーセンターではトビハゼがピョン、ピョンと跳ねてとってもかわいいよ! それから小さい小さい蟹が岩の隙間からいっぱい出てきたと思うと、アッという間に居なくなるのよ。面白いよ!」と聞いていて楽しみにしていたのに、潮が満ちていて、どちらも見られずガッカリ…、アーア。とはいうものの今日も楽しくウォーキングをさせていただきました。ありがとうございます。感謝。 [M.N 記]

Posted by taichiro at 15:17