2000年02月07日

四百字随想その52

1.ハッピーマンデー
(二〇〇〇.一.一七)=社会=
 どうも三連休になることをハッピーマンデーというらしい。成人の日と体育の日が月曜日になったためらしい。ところが、日にちが動くのがどうも気にかかる。私のように十月十日生まれで、自分の誕生日が体育の日になったと喜んでいたのに、もうそんな僥倖は七年に一度しかなさそうだ。それに成人の日の前日までに成人になった人を祝うはずだったのが変わってしまう。年によって日付が変わるのはどうもなじめない。いっそのこと、暦の考え方を変えてしまったらどうだろうか。元旦の考え方、いろんな国で違うことを日曜版で知ったが、その中で興味があり合理的であったのが、三十一,三十,三十と三か月単位で日数を決め、年に一日だけ(閏年は二日)ナショナルデーとする暦。これだと曜日と月日が常に一致する。こうなると正にハッピーマンデーになり、万々歳だ。そうしないと今後、私の誕生日は十月十日ではなく、第二木曜日だと言わざるを得ない。

2.サークル自慢
(二〇〇〇.一.二四)=自分=
 私が主宰するサークルは「ウォーキングクラブGNP」という。まだ満二歳に達したばかりのひよこのようなサークルであるが、会員数は八十人あまり。二年間に丁度一〇〇回の例会を持った。ちなみに昨年は年間で五〇回、参加人員は延べで二五〇〇人に達し、例会の総距離六四八キロであった。一昨年から始めたもので、一昨年に比べ回数だけは同じであったが、歩行距離、参加人員ともに五割増であった。「元気で長生きしてポックリと」を旗印にGNPと称している。副次目的、地球温暖化の防止、医療費負担の軽減にいささかなりとも役立っていると自負している。私の場合でいうと自家用車のガソリン消費量が五分の一になり、医者には歯医者以外にはとうとうかからなかった。ただし残念ながらだれ一人最終目的、ポックリととはならなかった。毎週土曜日、東京と近郊を縦横に今年も五〇回、楽しく美しく豊かに平均時速約六キロで歩き続ける予定である。

3.雪
(二〇〇〇.一.三一)=季節=
ウォーキングは大抵の気象条件の中で、どんなときでも出来るが、雪だけは大敵だ。それでも雪が降っている状態なら歩けるが、雪が積もり、雪が凍り付いた状態ではウォーキングは出来ない。歩くという行為が単に足を使うということではなく、大股に広げ、まずかかとをつけ、体重を移動してからつま先で蹴る、と格好いいことをいうが、そのためには足が滑らないことが前提である。道が砂利道であっても泥濘であっても無理である。山道や坂道、階段でも無理である。いろんな条件に合わせて歩く行為は変わってくる。つまり、TPOを心得、状況に合わせて歩き方を瞬時に変える必要がある。そういうことが仮に出来たとしても雪道ではウォーキングは出来ない。東京に住んでいると雪道にほとんどならないので、ウォーキングには快適である。したがって雪がちょっとでも降ると中止しなくてはならない。最近では雪にならないことだけをひたすら願っている。

4.国の誕生
(二〇〇〇.二.七)=文化=
 国の誕生には夢がほしい。誇れるものがあればなおいい。必ずしも真実である必要はない。事実である必要もない。古ければ古いほど国の誕生の真実は見えてこない。たどればたどるほど分からなくなる。私はそれでいいと思っている。日本国の誕生は何時か。幸いにして日本には神話があった。神話はいいかげんなものという議論があるが、いいかげんであろうがそうでなかろうが存在している事実に意味がある。その神話に基づいて国の紀元を決め、その日を誕生とすること。夢がある。二千六百年を悠に超える紀元を持つという考えは突飛なのかもしれないが、そう思えるところがいい。私はそういう思いがひとつの国のアイデンティティーと考えている。革命でできた国もそれはそれで立派なアイデンティティーである。誇れるもの、夢の有る国の誕生を持てること。そこを大事にして現実の国家を理想的に運営することが国の誕生を祝う意味である。  
(平成一二.二.七東京新聞夕刊掲載)

Posted by taichiro at 2000年02月07日 09:44