2000年02月14日

四百字随想その1

今から15年も前に書いた「四百字随想」の内、今でも耐える考え方を皆様の参考に供します。ご意見、ご叱正をいただければ幸甚に存じます。

1.私の防災対策 (1995.8.30)=社会=
私の防災対策は「何にもしないこと」である。
いろんな対策がいろんな形でいろんな人達から提唱されているが、いざというときに何の役にも立ちそうにない。それほど自然災害というものは人知を超えたものである。
一番大事なことは、自然に逆らわないことである。なるようになる。動かないことである。逃げ出したり、なんとかしようという気持がほとんどの場合、災害を大きくしているようである。
我が家で用意していることはポリタンクに20リットルの水を用意していることだけである。これは毎日風呂の水にしている。したがって新鮮な水である。水が20リットルあれば、1週間は家族3人生きられる。1週間経って助からなければ、大体終わりと考えていい。
自分が動ければその間、一所懸命人を助けることに従事しようと思っている。臨機応変、沈着に対応するという気持だけで十分だ。したがって防災対策のためにいっさいお金はかけていない。

2.今一番大事な事 (1995.9.13)=文化=
 今一番大事な事、それは「文化を見直すこと」である。
人間が文化(CULTURE)を考えたのは、野蛮(SAVAGE)に対比したものとして真剣に取り組んだものと信じている。消費するものを作り出すという本質である。
現代文明は、それをどこかで取り違えている。作り出すことのできないものを勝手にあらゆるところから取り出し、元へ返すことなく捨て去っている。最も典型的なものが、石油である。現代の生活の中で石油製品ほど出回っているものはないといえるが、石油そのものはだれも作っていない。
これが文化といえるだろうか。しかもその石油製品をとことん使い切るならいざ知らず、ほとんど使い切っていない。これは、せっかく丹精込めて作った草花を踏み荒らすだけとどこが違うのだろうか。
取り尽くし主義を野蛮だとし、耕作することを文化とした人間の英知はどこにいったのだろう。消費するものを作り出すという「文化」の本質を忘れてはならない。

3.私の読書 (1995.9.27)
 私は本が好きだ。だからといって全部買って読むわけにはいかない。
そこで考え出したのが、速読である。本屋を見つけると一寸でも入る。1冊の本を2分間で読むのだ。目次、はしがき、あとがき、そして触りの部分。たったそれだけのことでその本を読んだ気になるのだ。小説もある。経済書、実用書、法律書、それにベストセラー。乱読といっていい。
そんな私が、和久峻三さんの本は、悉皆的に集めたことがある。それは丁度裁判の仕事に携わっていた時代であった。いろんな法律書も読んだが、それよりも和久さんの小説を読んでいたほうが、おもしろいということが大きな要素である。そのおかげで、たった2年間であったが、10年間ぐらいの法廷経験を持ったような気にさせられた。
今、2,000冊ぐらい自分で持っているようだが、速読のおかげで、たぶん20,000冊ぐらいは読んだことになるのだろうか。
本のおかげで自分の知識があるといっても過言ではない。

4.米 軍 基 地 (1995.11.1)=社会=
アメリカは日本以外に他国に対してどのくらい「基地」を持っているのだろう。不幸にしてその内容をよく知らないが、少なくとも日本は他国に対して軍事基地は持っていないようだ。
ほかの国はどうだろう。仮にほかの国だって自国以外に軍事基地を持っている場合、その国とどんな関係にあると言えるのだろうか。少なくとも対等の関係とは言えないのではなかろうか。
つまり、その「基地」の存在は、占領状態と言っていいはずだ。今、日本にアメリカの軍事基地があるということは、その軍事基地の範囲でその場所は占領されたままの状態であり、治外法権の世界である。それに近い状態では大使館の存在があるが、この場合、相互に存在するのであって一方的なものではない。日本が本当に独立国と言える状態でないことを示している。
と同時に戦争を放棄して日本軍はいないが、米軍は存在しているという日本の状態が、他国に与える影響は強大である。

Posted by taichiro at 2000年02月14日 18:40